特別快速「きたみ」 キハ150 石北本線 北見

 
キハ150形は、さらなる地方線区のワンマン化推進と各種コストの削減、バスなどへの対抗を目的に、JR東日本のキハ110形気動車をベースに開発された両運転台式気動車です。製造は全車富士重工業が担当し、1993年(平成5年)から1995年(平成7年)にかけ富良野線向けの1次車 (1 - 10、0番台)、苫小牧地区向けの2次車 (101 - 110、100番台)、函館本線(山線)向けの3次車 (11 - 17、0番台)の計3次に渡って27両投入されました。また、高出力機関を搭載して動力性能を向上し、北海道の一般形気動車で初めて冷房装置を搭載する(0番台のみ)など接客設備の改善もなされたほか、ワンマン運転設備の搭載、バス用汎用部品の採用など製造コスト削減も考慮されました。製造当初は旭川運転所・苫小牧運転所・苗穂運転所の各所に配置され、主に富良野線・室蘭本線苫小牧駅 - 長万部駅間・函館本線小樽駅 - 長万部駅間の地域輸送に使用されました。2020年代からはH100形の導入に伴い、他の線区に活躍の場を移しています。


外観・外装
 車体は普通鋼製(一部高耐候性圧延鋼材を使用)で、全長は20m級、客用扉は片開き式のものを片側2か所に設けています。車体の前後に運転台をもつ両運転台式で、1両単位での運用が可能です。前部標識灯(シールドビーム)は正面上部の左右および正面中位の左右に4灯を装備しています。後部標識灯(LED)は正面上位、貫通扉の真上に配置しています。
 外部塗色は、富良野線向けの1次車はラベンダー色の太帯にライトグリーン(萌黄色)の細帯を配し、その他はJR北海道の一般車に準じたライトグリーンの太帯に青の細帯を配しています。また、客用扉は太帯と同じ色で塗装されています。

機器類
 駆動機関はコマツ製の過給器・吸気冷却器付の直噴式ディーゼル機関N-KDMF15HZ形(SA6D140-H・定格出力450ps/2000rpm・最大トルク173kgm/1400rpm 水平直列6気筒・総排気量15240cc)を1基装備しています。450psの定格出力はキハ40形 (DMF15HSA・220ps) の2倍強、2台機関搭載のキハ56形(DMH17H・180ps×2)をも上回ります。液体変速機は湿式多板クラッチによる変速1段・直結2段式のN-DW14C形で、コンバータブレーキの機能をもち、下り勾配での抑速装置として機関本体の機関ブレーキと併用できます。
 台車は空気ばね付のボルスタレス台車 N-DT150形(動台車)/N-TR150形(付随台車)で、牽引力確保のため2軸駆動としています。軸箱支持機構は積層ゴムを用い、車輪踏面片押し式の基礎ブレーキ装置を備えています。空気ブレーキはキハ40形などと共通の3圧式制御弁をもつCLE方式(応荷重装置付電磁自動空気ブレーキ)です。これらの駆動系改良により、最高速度110km/hでの走行が可能となっています。一方で、放熱器・燃料タンクなどの補機類にはバス用などの自動車用部品・汎用部品を用い、製造コスト削減を図っています。

 0番台車は冷房装置を搭載しています。冷房装置は走行機関直結式のN-AU150 (20,600kcal/h)で、室内機が屋根上に取り付けられています。また強制換気装置としてクロスフローファンが屋根上に4台設置されています。酷寒地対応としては、機関始動および暖房用の機関予熱器(容量30000kcal/h)を装備するほか、燃料タンクは500Lを2個装備として大容量化しています。本形式はキハ40形などの従来形式とブレーキシステムの互換性があり、混結しての運用も可能です。

客室設備
 コストダウンのため内張はメラミン樹脂ではなく焼付塗装印刷の化粧鋼板が採用されました。また、座席色は緑色、優先席部のみ紫色(後年橙色に変更)としています。車内中央が1+2列のクロスシート、客用扉周辺はロングシートとしたセミクロスシート仕様です。また、従来の北海道向け車両では一般的であったデッキが廃され、代わって車端部のロングシート袖仕切りは枕木方向(水平方向)に大型化し、上部はガラス製の風防を取り付けています。
 4位側出入り台付近には循環式汚物処理装置付のFRPユニット式和式トイレが組み込まれています。また、付近には車椅子スペースが備えられています。

形態区分

基本番台 (1 - 17)
1993年(平成5年)に10両、1995年(平成7年)に7両が製造されました。客室窓は大型の固定窓で、冷房装置を搭載しています。定員は117名で、自重は33.3tです。側面帯と客用扉の配色は配置箇所によって異なり、旭川運転所・函館運輸所の車両はラベンダーをイメージしたライトパープル、元苗穂運転所の車両はスカイブルー+萌黄色である。





参考:https://ja.wikipedia.org


特別快速「きたみ」 キハ150 石北本線 遠軽



特別快速「きたみ」 キハ150 石北本線 遠軽





キハ150形 主要諸元

形式 キハ150
運用者 JR北海道
製造所 富士重工業
製造年 1993-1995年
製造数 27両
最高運転速度 110 km/h
全長 20,000 mm
全幅 2,925.4 mm
全高 3,940 mm
車体 普通鋼
走行機関 N-KDMF15HZ形 1基
(450 PS/2,000 rpm)
変速機 N-DW14C
変速段  変速1段、直結2段
制動装置 CLE応荷重装置付
電磁自動空気ブレーキ
機関ブレーキ
コンバータブレーキ
保安装置 ATS-SN
ATS-DN
直通予備ブレーキ 




















キハ150形